健康
噛む力と健康
噛み合わせが良くないと肩コリなどがおこり、身体のバランスが崩れることはよく知られていることですが、「噛む力」も健康に過ごすうえでは大切になってきます。
1 「噛む力」が弱まるとどうなるのでしょう。
「噛む力」が弱まると、口のまわりの筋肉が退化し、口元も緩んで、顔の表情も乏しくなりがちです。したがって、「噛む力」が衰えると、顔の筋肉が衰え、老け顔の原因にもなります。 その他、噛めなくなると脳の老化が進み、認知症にも影響することが明らかになってきました。噛む行為は、顔全体の筋肉を鍛え、脳を刺激します。噛んで刺激を与えることにより脳の血流がよくなり、意欲や判断力が活発になり、記憶力が向上します。 したがって、特に高齢者は、歯が弱くなり口からの刺激が少なくなると、脳への血流が低下し、精神的な活動への意欲がなくなったり、物忘れや記憶力などが落ちてきたりするので、努力して噛むことを心がけましょう。
2 「噛む力」と「筋力量」
「噛む力」と全身の筋肉量は比例すると言われています。そのため、うまく噛めないと筋肉が衰え、身体のバランスがとりにくくなり、転倒のリスクも増えます。 つまり、口の老化=全身の老化ということです。よく噛むことは脳と身体を若々しく保つための大切な行為なのです。健康のために、日頃からよく噛んで食べる習慣をつけ、「噛む力」が衰えないようにしましょう。 また、筋肉と骨が成長期の子どもにとっては、噛む動作が身体と知能の発達に大きな影響を与えると言われています。 最近では、「噛む力」が弱いため、顎が未発達で細いお子さんが増えてきました。お父さん、お母さんは、噛みごたえのある食事を作り、子どもにしっかり噛んで食べるように呼びかけましょう。